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社内の情報、迷子になっていませんか?Googleの最終兵器「Agentspace」が"あの資料どこ?"を撲滅する!

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「あのプロジェクトの最新資料、どこにあるんだっけ…」「この件、誰に聞けばわかるんだろう?」

オフィスで日々繰り返される、こんな光景。社内の情報は、ファイルサーバー、チャットツール、プロジェクト管理システム、個人のPCの中など、あちこちに散らばりがちです。この「情報のサイロ化」は、見えないコストとして従業員の貴重な時間を奪い、生産性を大きく低下させています。

もし、社内のあらゆる情報をGoogle検索のように一瞬で見つけ出し、さらにはAIがその内容を要約してくれたり、面倒な定型業務を自動でこなしてくれたりしたら…?

そんな夢のような話を実現するのが、Google Cloudが提供する**「Agentspace」**です。これは、先日話題となった「オンプレミス版Gemini」の中核をなす機能の一つ。単なる検索ツールではありません。社内に眠る膨大なデータを「使える資産」に変え、一人ひとりに超有能なAIアシスタントを付けてくれる、まさにゲームチェンジャーと呼ぶべきプラットフォームなのです 。

この記事では、あなたの会社の働き方を根底から変える可能性を秘めた「Agentspace」の魅力について、誰にでもわかるように、とことん掘り下げて解説します。

Agentspaceとは?一言でいえば「社内版Google検索 + 超有能なAIアシスタント」

Agentspaceをひと言で表すなら、**「社内のあらゆる情報源を一つに繋ぎ、Geminiの賢い頭脳で整理してくれる、究極の社内情報ハブ」**です 。

これまで私たちは、情報を探すためにいくつものアプリケーションを渡り歩く必要がありました。

  • 企画書はファイルサーバー(Google DriveやSharePoint)
  • タスクの進捗はプロジェクト管理ツール(JiraやConfluence)
  • 顧客情報はCRM(Salesforce)
  • 日々のやり取りはチャットツール

Agentspaceは、これらのバラバラになった情報源に専用のパイプライン(コネクタ)を繋ぎ、すべてを横断的に検索できるようにします 。しかし、その真価はただ検索できるだけではありません。

  1. 探すから「尋ねる」へ: キーワードで検索するだけでなく、「先月のAプロジェクトの議事録を要約して」のように、自然な言葉でAIに質問し、的確な答えを得られます 。
  2. 情報が「行動」に変わる: 見つけた情報をもとに、「この内容で報告メールの下書きを作って」といった指示を出すだけで、AIが次のアクションをサポートしてくれます 。
  3. 面倒な作業は「お任せ」: 「毎週月曜の朝に、各プロジェクトの遅延タスクをリストアップして担当者に通知する」といった定型業務を、AIエージェントに自動化させることができます 。

つまり、情報の「検索」「理解」「活用」という一連の流れを、一つの場所でシームレスに完結させてくれるのがAgentspaceなのです。

ここがすごい!Agentspaceを支える3つの革命的機能

Agentspaceの魔法のような体験は、主に3つの強力な機能によって実現されています。

機能1:「あの資料どこ?」がなくなる!神レベルのエンタープライズ検索

Agentspaceの基本であり、最も強力な機能がこの「統一検索」です。

  • あらゆる場所を横断検索: Google Drive、SharePoint、Confluence、Jira、Salesforceなど、100種類以上の主要な業務用アプリケーションに標準対応 。もう、あちこちのウィンドウを開いて探す必要はありません。
  • ファイルの中身まで理解: Geminiのマルチモーダル能力により、テキストはもちろん、資料内の図やグラフ、画像、さらには動画や音声ファイルの中身まで理解して検索対象とします 。
  • 権限はしっかりガード: 最も重要なのがセキュリティです。Agentspaceは、各システムの既存のアクセス権限を完全に尊重します 。つまり、あなたが閲覧権限を持たない情報が検索結果に表示されることは絶対にありません。安心して全社に展開できる設計になっています。

機能2:あなただけの専属アシスタントを育成!ノーコードで作れる「カスタムAIエージェント」

Agentspaceの真骨頂は、「AIエージェント」と呼ばれる、特定のタスクを自動実行するプログラムを誰でも簡単に作成できる点にあります 。

プログラミングの知識は一切不要。「Agent Designer」というツールを使い、チャットでAIにお願いするように、「こういう時は、こう動いてね」と指示するだけで、あなた専用の業務自動化エージェントが完成します 。

【カスタムエージェントの作成例】

  • 出張精算エージェント: 領収書の写真をアップロードすると、日付や金額を読み取り、経費精算システムに自動で入力してくれる。
  • 新人オンボーディングエージェント: 新入社員からの「福利厚生について知りたい」といった質問に、社内規定のドキュメントを元に自動で回答してくれる。
  • 競合調査エージェント: 定期的に競合他社のウェブサイトを巡回し、更新情報があれば要約してチャットで報告してくれる。

これまでは専門家でなければ作れなかった業務自動化の仕組みを、現場の担当者が自分で作れるようになる。これは、業務効率化における大きなブレークスルーです。

機能3:大量の資料も一瞬で理解!AI搭載ノート「NotebookLM Enterprise」

「時間がないから、この50ページの資料、誰か要約してくれないかな…」そんな願いを叶えるのが「NotebookLM Enterprise」です 。

これはAgentspaceに統合された、AI搭載のインテリジェントなノートブック機能です。

  • 放り込むだけでAIが熟読: 調査レポート、会議の議事録、顧客からのフィードバックなど、関連する資料をNotebookLMに放り込むだけで、AIが内容を完全に理解します 。
  • 要約・質疑応答・アイデア出し: 資料全体の内容について質問したり、重要なポイントを要約させたり、新しい企画のアイデアを出させたりと、まるでその分野の専門家と壁打ちするように、情報の深掘りができます 。
  • 耳で聞くポッドキャスト要約: 特にユニークなのが、資料の内容をAIが対話形式で解説してくれる「ポッドキャスト」を自動生成する機能 。移動中や作業中に、耳で情報をインプットできます。

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もちろん、NotebookLMに読み込ませた機密情報が、GoogleのAIモデルの学習に使用されることは一切ありません。安心して社内の重要データを活用できます 。

なぜ「オンプレミス」が重要なのか?究極のセキュリティとAIの両立

Agentspaceの強力な機能は、Googleのクラウド上だけでなく、企業のデータセンター内で完結する「オンプレミス環境(Google Distributed Cloud)」でも利用できます 。

これは、特に金融、医療、政府機関といった、極めて厳格なデータ管理が求められる業界にとって決定的に重要です。顧客情報や研究データ、国家機密などの機密情報を、一切外部のネットワークに出すことなく、最新のAIプラットフォームの恩恵を受けることができるのです 。

「最高のAI機能」と「鉄壁のセキュリティ」。この二者択一を迫られてきた企業にとって、オンプレミスで動作するAgentspaceは、まさに待ち望んだソリューションと言えるでしょう。

結論:Agentspaceは、単なるツールではなく「働き方の革命」である

Agentspaceは、単に情報を探しやすくしたり、いくつかのタスクを自動化したりするだけのツールではありません。それは、組織に眠る「集合知」を誰もが最大限に引き出し、創造的な仕事に集中できる環境を作るためのプラットフォームです。

情報のサイロ化によって失われていた膨大な時間を取り戻し、AIを優秀なアシスタントとして誰もが使いこなす。そんな未来の働き方を、Agentspaceは現実のものにします。

もしあなたの組織が「データはあるのに活用しきれていない」「従業員にもっと付加価値の高い仕事をしてほしい」と感じているなら、Google Agentspaceは、その閉塞感を打ち破るための最も強力な一手になるかもしれません。

引用文献

1. Google Agentspace Is Here: What Can This Mean For Your ... - WWT, https://www.wwt.com/blog/google-agentspace-is-here-what-can-this-mean-for-your-organization 2. What is Google Agentspace? | Google Cloud, https://cloud.google.com/agentspace/docs 3. Diving Into Google's Agentspace: Key Features And Integrations ..., https://66degrees.com/diving-into-googles-agentspace-key-features-and-integrations/ 4. Google Agentspace | FluentData, https://www.fluentdata.ai/en/google-cloud/agentspace/ 5. How to use Agentspace search on Google Distributed Cloud - YouTube, https://www.youtube.com/watch?v=guOscjWrJ1M 6. Top 7 Use Cases for Agentspace & Agentic AI - Promevo, https://promevo.com/blog/agentspace-use-cases 7. Google Agentspace: Elevating Enterprise Productivity with AI Agents - Devoteam, https://www.devoteam.com/expert-view/understanding-google-agentspace-the-impact-on-your-business/ 8. Google Agentspace - AI for everyday work - Arvato Systems, https://www.arvato-systems.com/blog/increase-your-business-productivity-with-google-agentspace 9. Google Agentspace, https://cloud.google.com/products/agentspace 10. Cloud Next: Google Agentspace announces new features for enterprise, https://blog.google/feed/cloud-next-latest-features-google-agentspace/ 11. Run Gemini and AI on-prem with Google Distributed Cloud, https://cloud.google.com/blog/products/ai-machine-learning/run-gemini-and-ai-on-prem-with-google-distributed-cloud 12. Google brings Gemini to on-premises data centers with Distributed Cloud - Techzine Global, https://www.techzine.eu/news/infrastructure/130405/google-brings-gemini-to-on-premises-data-centers-with-distributed-cloud/ 13. Bringing Gemini and Google Agentspace to you on-premises - TheNote.app, https://thenote.app/note?id=CdXz5zHNQW_2nFC6aTHX9 14. How Google Agentspace Powers Enterprise AI Agents | Bitstrapped Blog, https://www.bitstrapped.com/blog/how-google-agentspace-powers-enterprise-ai-agents

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