社内SEゆうきの徒然日記

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「セキュリティ、他人事じゃない」──ニコニコのサイバー攻撃が示すプライベートクラウドの落とし穴と国産クラウドエンジニア育成の必要性

 

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「セキュリティ、他人事じゃない」──ニコニコのサイバー攻撃が示すプライベートクラウドの落とし穴と国産クラウドエンジニア育成の必要性

はじめに:ニコニコ攻撃が突きつけた現実

2024年6月に発生したKADOKAWAグループのサイバー攻撃は、日本のIT業界に大きな衝撃を与えました12。ドワンゴの夏野剛社長が「セキュリティ、他人事じゃない」と語ったように、この事件は企業のクラウド戦略における深刻な課題を浮き彫りにしました1

攻撃により、ニコニコ動画のような国内最大級のプラットフォームが長期間にわたって停止を余儀なくされ、その背景にはプライベートクラウド運用における人材不足という根本的な問題が見えてきます。

プライベートクラウドは悪い選択ではない、しかし課題は人材

KADOKAWAの選択は間違いではなかった

KADOKAWAがプライベートクラウドを選択したこと自体は、決して悪い判断ではありませんでした2。プライベートクラウドには高いセキュリティ水準柔軟なカスタマイズ性というメリットがあります3

しかし、プライベートクラウドの運用には、パブリッククラウドとは異なる専門的なスキルセットが必要です4。仮想化環境の管理者には「スーパー特権アカウント」と呼ばれるほどの強力な権限が集約されており、適切な管理には高度な専門知識が不可欠です4

深刻な人材不足の実情

日本のIT業界では、セキュリティエンジニアとインフラエンジニアの深刻な人材不足が続いています:

  • IT人材全体で22万人不足(2018年時点)、2030年には最大79万人の不足が予測される5

  • セキュリティ分野では20万人の人材不足が推計されている6

  • セキュリティエンジニアの平均年収は700-900万円と高水準だが、需要に供給が追いついていない67

人材流出の要因:外資系企業の高待遇

待遇格差が生む人材流出

優秀なインフラエンジニアやセキュリティエンジニアが外資系企業に流れる傾向が強まっています。その理由は明確です:

  • 外資系の高待遇:フリーランスのセキュリティエンジニアで年収900-1,500万円7

  • 技術的挑戦の機会:最新技術への接触機会8

  • グローバルなキャリアパス:国際的な経験を積める環境8

一方、国内企業ではレガシーシステムの維持にITリソースの約80%が割かれており5、エンジニアが新技術を学ぶ時間が取れない状況が続いています。

希望の兆し:さくらインターネットの挑戦

国産クラウドの可能性

最近、さくらインターネットに著名エンジニアが相次いで入社している現象が注目されています9。同社は:

  • GPUクラウドの整備に1000億円規模を投資

  • ガバメントクラウドで唯一の国産クラウド事業者として認定

  • 外資系に対抗できる「最強国産クラウド」を目指す

この動きは、国内クラウド業者が優秀な日本人エンジニアを惹きつけ始めていることを示しており、人材流出問題の解決につながる可能性があります。

国産クラウド強化に向けた施策の必要性

1. 人材育成・採用の強化

  • 高待遇での人材確保:外資系に匹敵する報酬体系の整備

  • 技術教育の充実:クラウド技術やセキュリティの専門教育プログラム

  • キャリアパスの明確化:エンジニアの長期的なキャリア設計支援

2. 技術的環境の整備

  • 最新技術への投資:レガシーシステムからの脱却

  • 研究開発環境:エンジニアが新技術に触れられる環境作り

  • 国際的な技術交流:グローバルスタンダードへの対応

3. 産官学連携の推進

  • 政府支援策:国産クラウド業者への投資支援

  • 大学との連携:実践的なエンジニア教育の強化

  • 業界標準化:セキュリティガイドラインの統一

AWS移行から学ぶ教訓

ドワンゴの成功事例

ニコニコのAWS移行は、多くの教訓を提供しています110

  • 3年間の段階的移行で大規模システムの安全な移行を実現

  • AWS環境への早期移行により、サイバー攻撃の影響を最小化

  • クラウドネイティブな開発で、わずか3日での新サービス開発を実現

夏野社長の「もう1年早く移行しておけば」という言葉は、クラウド移行の緊急性を物語っています1

結論:国産クラウドエコシステムの構築が急務

今回のサイバー攻撃事件は、日本のIT業界が直面する構造的な課題を浮き彫りにしました。プライベートクラウドという選択肢自体に問題があるのではなく、それを適切に運用できる人材の不足こそが根本的な問題です。

国産クラウド業者が優秀な日本人エンジニアを惹きつけ、育成できるエコシステムの構築は、単なる理想論ではなく、国家のデジタル主権に関わる重要な課題です。

さくらインターネットの事例が示すように、適切な投資と戦略により、国産クラウド業者でも優秀な人材を集めることは可能です。今後は、この成功モデルを他の企業にも展開し、日本全体のクラウド技術力底上げを図ることが重要です。

セキュリティは確かに「他人事じゃない」。しかし、それは同時に、すべての企業が協力して取り組むべき課題でもあります。国産クラウドエコシステムの強化により、日本のIT業界全体の競争力向上を目指すべき時が来ているのです。

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