この話題、過去数回記事に書いているけど、「脱VPN]と叫ぶ専門家や専門誌」がどんどん増えている.
MITM攻撃リスクにみんな気づいていない。
MITM攻撃に対抗する有効な手段はVPN。
VPNルーター機器の管理を怠っている場所をついたサイバー攻撃が多いのは事実
じゃあ、VPNルーターなくせばいい! という発想は安直。
セキュリティは縦割りで狭い範囲だけみるのではなく、広い目で俯瞰してどうなのか考えないと。。。
木を見て森を見ず・・・
この風潮への警告の意味も込めて
ゼロトラストセキュリティとVPNの関係性:MITM攻撃リスクから考える現実的な対策
ゼロトラストセキュリティは「全てのアクセスを信頼せず、常に検証する」という概念で、社内ネットワーク内でも安全を前提としない点が核心です16。一方、脱VPNの動きが加速する中で、VPN廃止による中間者攻撃(MITM)リスクへの懸念は技術的に正当です。本記事では、検証可能な事実に基づき、VPNの役割とゼロトラスト実装のバランスを考察します。
MITM攻撃の現実的リスクとVPNの防御機能
MITM攻撃は通信経路に攻撃者が割り込み、データ盗聴や改ざんを行う手法で、公共Wi-Fiや暗号化不足のネットワークで頻発します34。VPNはこの脅威に対し、エンドツーエンド暗号化によって強力な防御層を提供します810。具体的には:
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HTTPSとの組み合わせで、パケットスニッフィングを妨害する二重保護を実現8。
しかし、VPNの保護は「出口サーバー以降」では無力化され、暗号化プロトコルの脆弱性(例:古いPPTP)が残る課題もあります810。
脱VPN推進の背景とその根拠
脱VPNが主張される主因は、VPN固有の以下の脆弱性にあります:
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機器のメンテナンス不足:
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セキュリティの限界:
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VPN接続後は内部ネットワークを「信頼」するため、侵入時の被害拡大リスクが高い7。
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ゼロトラストとの整合性:
理想的なアプローチ:ゼロトラストとVPNの併用
「脱VPNか維持か」という二項対立ではなく、両者の補完的活用が現実解です:
日本のセキュリティ議論への問題提起
ユーザーが指摘する「検証なき議論」は的を射ています:
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人材・意識の不足:
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脱VPNの安易な推進リスク:
非ITの一般企業ならまだしも、天下のGoogleでさえも、この問題に気づかないとはなんとも。開発には優秀なエンジニア多そうだけど、セキュリティエンジニアは・・・。
そして多数の外部のエンジニアは、Googleがいうなら間違いない と疑問に思わずそのまま受け入れる姿勢もなんとも。
結論:バランスある現実解の追求
ゼロトラスト移行は不可逆的な流れですが、VPNの防御機能を軽視すべきではありません。管理されたVPN環境の維持とゼロトラスト原則の適用を両立させるハイブリッドモデルが最適です。日本のセキュリティコミュニティには、技術的検証を深め、特定の主張に盲従しない批判的議論が求められます1312。セキュリティ対策は「トレンド」ではなく「実リスクの分析」に基づくべきであり、MITM攻撃のような古典的脅威への対策を疎かにしてはなりません。