問題提起のリチウムイオン電池もモバイルバッテリーの記事を書いた矢先。
トップニュース。
行政は広報など小手先の小さい対応のみ。強硬策必要でしょ。
看過できない状況になってきていると思うけど。
ということでもう少し強い内容
こういうことを考えるのがAI(LLM)推論モデルの強いところ。
gemini2.5 PRO(推論モデル) deep researchに対策案を考えさせてみた。
AIに否定的な人(特に社会的な影響力が強い 政治家や大企業経営者等)日本には多いけど、確かにハルシネーションも発生リスクもあるけど、ここまで技術進むと人間に考えさせるよりもミスの発生リスクが少ないような。
AIの言うことを全て鵜呑みにするのではなく、最終決定は人間。でもその手前にアイデアを出させるのにはAI(LLM)の言うことはかなり参考になると思うけど。
人間よりAIにアイデアを出させた方がよいアイデアがたくさん出るような。
この記事のアイデアだし、文書作成は95%AI 5%は自分で補足
こういうの単なる話題性狙いと言うだけでなく、きちんと運用すれば効果あると思うけどね。
もちろん少ないながらもハルシネーションはあるので、最後に人間はしっかりファクトチェックもやる。。。
弱小ブログが言ったところで、影響力は小さい
インフルエンサーの人がこういう内容をYouTube、
で拡散して社会問題にならないかな・・・
-------------------------
あなたの隣にある見えない爆弾? モバイルバッテリー火災を根絶する、今すぐ日本が導入すべき「劇薬」とは
はじめに:身近な利便性、隠された危険
カフェで、電車で、あるいは自宅で。スマートフォンに「命」を吹き込むモバイルバッテリーは、今や私たちの生活に欠かせない必需品です。しかし、その便利なガジェットが、静かに時を刻む「見えない爆弾」だとしたら?
これは単なる煽り文句ではありません。近年、モバイルバッテリーが原因とみられる発火・火災事故が、私たちのすぐそばで急増しています。これらは稀な「不運な事故」ではなく、高エネルギーの化学物質と、不十分な安全管理体制が組み合わさって生まれた、必然的な結果なのです。
衝撃的なデータが、この問題を浮き彫りにしています。製品評価技術基盤機構(NITE)の報告によれば、2020年から2024年までのわずか5年間で、リチウムイオン電池を搭載した製品の事故は1,860件にのぼり、そのうち実に85%にあたる1,587件が火災に至っています 1。特に東京消防庁の管内では、2023年にリチウムイオン電池関連の火災が167件発生し、これは7年前の約3倍という驚異的な増加率です 3。
この記事の目的は、単に危険を煽ることではありません。問題の構造を解き明かし、より安全な代替技術を紹介し、そして私たちの日常からこの脅威を根絶するための、具体的で実行可能な政策を提言することです。もう、「運が悪かった」で済ませる段階は終わりました。今こそ、私たちの安全を守るための抜本的な対策が必要です。
第1章:数字は嘘をつかない:国内で激増するバッテリー火災の実態
1.1 急増する火災事故の波
モバイルバッテリーによる火災は、もはや無視できない社会問題となっています。複数の公的機関が発表するデータは、その深刻さを物語っています。
- 全国規模での警告: NITEに寄せられた事故報告は、前述の通り過去5年で1,860件に達し、その大半が火災という最悪の事態につながっています 1。これは特定の製品の問題ではなく、市場に流通する多くの製品に共通するリスクであることを示唆しています。
- 都市部での脅威: 東京消防庁のデータは、より身近な危険を明らかにしています。2024年には住宅火災におけるリチウムイオン電池関連の火災がすでに106件(速報値)発生しており、問題が加速していることを示しています 4。2023年の年間167件という数字は、私たちの生活空間がいかに危険に晒されているかを物語っています 3。
- 消費者からの悲鳴: 消費者庁にも事故情報は年々増加傾向で寄せられており、発煙・発火・過熱といった報告が半数近くを占めています 5。
これらの数字は、私たちが日常的に持ち歩いているデバイスが、いかに高い頻度で危険な存在へと変貌しているかを示しています。
1.2 いつ、どのように燃えるのか:事故シナリオの解明
抽象的な数字から、具体的な危険の瞬間に目を向けてみましょう。火災はどのような状況で発生しているのでしょうか。
- 主な出火原因: 火災の引き金となるのは、製造上の欠陥や経年劣化による内部ショート、落下や圧迫などの物理的な衝撃、そして不適切な充電です 2。しかし、ここで見過ごしてはならない重要な事実があります。東京消防庁の調査によると、火災発生時の状況は「充電中」が約半数である一方、「非充電中(待機中含む)」が38.9%、「いつも通り使用していた」というケースも39.4%にのぼるのです 6。
- 日常に潜む危険: このデータが示すのは、危険が「特別な誤った使い方」をした時にだけ発生するわけではない、という恐ろしい現実です。カバンの中に入れているだけ、机の上に置いているだけでも、バッテリーは突然牙をむく可能性があるのです。実際に、夏の車内に放置したモバイルバッテリーが発火した事例や、膨張したバッテリーを元に戻そうと力を加えたところ、内部でショートし発火した事例が報告されています 2。
- 季節的要因: さらに、事故は気温が上昇する春から夏にかけて増加する傾向があり、特に6月から8月が最も多くなっています 1。高温環境がバッテリー内部の化学反応を不安定にし、発火リスクを高めるためです。
これらの事実を総合すると、問題の根源は単なる消費者の不注意だけにあるのではないことが明らかになります。火災の多くが「通常使用時」や「待機中」に発生しているという事実は、責任の所在が消費者側だけでなく、製品そのものの内在的な安全性、つまり設計や材質、そしてそれを監督する規制のあり方にあることを強く示唆しています。さらに、リコール対象製品による火災が5年間で360件以上も発生しているという事実は 2、リコール情報が消費者に届き、危険な製品が市場から確実に回収される仕組みが機能不全に陥っていることの証左です。単なる注意喚起では、この連鎖を断ち切ることはできないのです。
第2章:安全という名の幻想:日本のPSEマーク制度に潜む抜け穴
多くの消費者は、製品に付された「PSEマーク」を見て、国が安全を保証してくれていると信じています。しかし、モバイルバッテリーに関しては、その信頼が「幻想」である可能性を指摘せざるを得ません。
2.1 消費者のための安全指標「PSEマーク」とは
PSEマークは、「電気用品安全法」に基づき、電気製品が国の定めた安全基準に適合していることを示すためのものです 7。この法律の目的は、火災や感電といった事故を未然に防ぎ、消費者の安全を確保することにあります。モバイルバッテリーへのPSEマーク表示は2019年2月から義務化されており、これ以降に製造・販売された製品には必ず表示されています 7。
2.2 致命的な欠陥:「ひし形」と「丸形」の違い
問題は、PSEマークに2つの種類があり、モバイルバッテリーに適用されるのが、より基準の緩い方であるという点です。
- ひし形PSE(特定電気用品): ACアダプターなど、特に高い安全性が求められる「特定電気用品」116品目に表示されます。このマークの最大の特徴は、製造事業者による自主検査に加え、国に登録された第三者検査機関による「適合性検査」が義務付けられている点です。つまり、メーカーと第三者機関による「二重のチェック」が行われている、信頼性の高い証です 7。
- 丸形PSE(特定電気用品以外の電気用品): 上記以外の、比較的リスクが低いとされる341品目に表示されます。こちらの制度では、第三者機関による検査は義務付けられておらず、製造・輸入事業者が「自主的に」国の定める基準に適合しているかを確認し、自らの責任でマークを表示します 8。
そして、衝撃的な事実ですが、あれほど火災事故が多発しているモバイルバッテリーは、この第三者検査が不要な「丸形PSE」の対象なのです 9。
2.3 自主検査がもたらす危険
事業者の自主性に委ねられた安全確保には、構造的な問題がつきまといます。
- 利益相反の構造: 特に価格競争の激しい市場では、メーカーはコスト削減の強い圧力に晒されます。厳格な検査を行うための高価な設備投資 12 や、時間をかけた検証プロセスは、コスト増に直結します。安全確保よりも市場投入のスピードや価格を優先するインセンティブが働きやすい構造なのです。
- 海外工場の品質管理の難しさ: 多くの製品が海外で製造される中、日本の詳細かつ厳格な技術基準を、第三者の監督なしに現地の工場が常に遵守していることを保証するのは極めて困難です。文化や認識の違いから、基準の解釈に齟齬が生じることも少なくありません 13。
- 信頼性の欠如: 結果として、丸形PSEマークは、消費者が期待するような「国のお墨付き」とは程遠い、単なる「事業者の自己申告」になり下がってしまう危険性をはらんでいます。悪質なケースでは、検査を全く行わずにマークだけを付けたり、偽物のマークが表示されたりする例も報告されており 15、消費者が安全な製品を見分けることはほぼ不可能です。
この制度設計は、根本的な政策判断の誤りと言えます。法律はモバイルバッテリーをACアダプターよりも「低リスク」な製品と分類していますが、現実の火災発生データ(第1章参照)は、その分類が完全に間違っていることを証明しています。規制がリスクの実態を反映していないのです。この法律と現実の乖離こそが、危険な製品が市場に溢れる温床となっています。
特徴 |
ひし形PSEマーク(特定電気用品) |
丸形PSEマーク(特定電気用品以外の電気用品) |
検査体制 |
第三者検査機関による適合性検査が必須 |
事業者による自主検査のみ |
消費者にとっての意味 |
二重チェックによる高い安全性と信頼性 |
事業者による安全性の自己申告 |
対象製品カテゴリー |
高リスク製品(ACアダプター、電源コード等) |
比較的低リスクとされる製品 |
モバイルバッテリーの分類 |
対象外 |
現在の適用基準 |
第3章:安全な未来はすでにここにある:リン酸鉄とナトリウムイオン電池
「便利なのだから、ある程度のリスクは仕方ない」という諦めは、もはや通用しません。なぜなら、従来のリチウムイオン電池の危険性を克服した、はるかに安全な代替技術がすでに実用化されているからです。
3.1 不安定な化学構造からの脱却
多くの従来型リチウムイオン電池は、正極材に「コバルト」などを使用しています。これらは高いエネルギー密度を実現できる一方で、過熱や衝撃によって「熱暴走」と呼ばれる制御不能な化学反応を起こしやすく、これが発火や爆発の直接的な原因となります 16。
3.2 安定の優等生:リン酸鉄リチウムイオン電池(LFP)
LFP(LiFePO4)は、すでに電気自動車(EV)などで広く採用されている、安全で成熟した技術です。
- 最大の利点「安全性」: LFPの最大の特徴は、その結晶構造の安定性にあります。過熱や衝撃を受けても構造が崩壊しにくく、熱暴走のリスクが劇的に低いのです 16。端的に言えば、LFPはコバルト系の電池に比べて圧倒的に燃えにくいのです。
- その他のメリット: 充放電を繰り返せる回数が多く長寿命であること、そしてコバルトのような高価なレアメタルではなく、安価で豊富な鉄を使用するため、コストや環境負荷の面でも優れています 18。
- トレードオフ: 唯一の欠点は、エネルギー密度がやや低いこと。つまり、同じ容量であれば少しだけ重く、大きくなる傾向があります 17。しかし、火災のリスクを考えれば、これは十分に受け入れられるトレードオフではないでしょうか。
3.3 次世代の本命:ナトリウムイオン電池(Na-ion)
もはや理論上の存在ではなく、実際に製品として私たちの手元に届き始めたのが、ナトリウムイオン電池です。
- 比類なき安全性: ナトリウムイオン電池は、熱暴走への耐性がさらに向上しています。製品テストでは、バッテリーに釘を突き刺しても発火・爆発しないという驚異的な安全性が実証されています 20。物理的な衝撃や過充電、過放電にも極めて強い耐性を持ちます 21。
- 資源の豊富さと倫理性: 最大の魅力は、資源の制約からの解放です。リチウムが特定の国に偏在する希少な資源であるのに対し、ナトリウムは海水にも含まれ、地球上に無尽蔵に存在します 22。これにより、採掘に伴う環境破壊や人権問題が指摘されるリチウムやコバルトへの依存から脱却できます 20。
- 優れた性能: $-35℃から50℃$という非常に広い温度範囲で動作可能で、5000回以上という驚異的なサイクル寿命を誇ります。これは毎日充電しても13年以上使える計算です 20。
- 市場投入の実績: 日本のメーカーであるエレコムが、世界で初めてナトリウムイオン電池を搭載したモバイルバッテリーを製品化したことは 20、この技術がすでに量産可能なレベルにあることの何よりの証明です。
これらの安全な代替技術が市場に存在するという事実は、「利便性のための避けられないリスク」という議論を完全に過去のものにします。問題は技術の欠如ではなく、安全な技術を普及させようとする市場と規制の意志の欠如なのです。さらに、資源の乏しい日本にとって、海水からでも採取可能なナトリウムを利用する技術を推進することは、単なる消費者安全の問題にとどまらず、サプライチェーンの安定化と経済安全保障に直結する国家的な戦略となり得るのです。
特徴 |
従来型リチウムイオン電池(コバルト系) |
リン酸鉄リチウムイオン電池(LFP) |
ナトリウムイオン電池(Na-ion) |
火災安全性(熱暴走リスク) |
高い |
低い |
極めて低い |
寿命(充放電サイクル) |
標準的(約500~1000回) |
長い(約2000~3000回) |
非常に長い(5000回以上) |
資源 |
希少なリチウム・コバルトに依存 |
豊富な鉄に依存 |
無尽蔵に近いナトリウムに依存 |
環境・倫理的影響 |
高い |
中程度 |
低い |
主な課題 |
安全性リスク |
エネルギー密度がやや低い(重い) |
新技術、エネルギー密度は発展途上 |
第4章:行動のための設計図:中国の強硬なCCC認証政策に学ぶ
「すでに市場に普及してしまった危険な製品を、どうやって取り除くのか?」という難問に対し、中国が実行した大胆な政策は、私たちに重要なヒントを与えてくれます。
販売規制だけでは、既に大量のモバイルバッテリが出回ってしまった現状では効果は限定的です。
4.1 きっかけは「空の上の火災」
中国が強硬策に踏み切った背景には、国内線の航空機内でモバイルバッテリーが発火・発煙する事故が多発したことがあります 25。離陸直後に機内に煙が充満し、フライトが引き返すといった深刻な事態が相次ぎ、政府を動かしたのです 26。
4.2 政策:「マークなければ、搭乗させず」
2025年6月、中国民航局は画期的な規制を導入しました。
- ルール: 中国国内線に搭乗する際、機内に持ち込む全てのモバイルバッテリーに、中国の安全認証である「CCCマーク」が明瞭に表示されていることを義務付けました 25。
- 執行方法: この政策の核心は、その徹底した執行方法にあります。空港の保安検査場で、係員が全てのモバイルバッテリーをチェックし、マークがないもの、不鮮明なもの、リコール対象品は、その場で容赦なく没収します 30。
- 効果: 効果は絶大でした。空港には没収されたバッテリーの山ができ、消費者は慌ててCCC認証付きの製品に買い替えました。メーカーもECサイトで「3C安全認証」を大々的にアピールするようになり、市場の勢力図は一夜にして安全な製品へとシフトしたのです 29。
4.3 日本が学ぶべきこと
中国の政策は、単に模倣すべき対象ではなく、効果的な規制執行のケーススタディとして学ぶべき点が多くあります。
- 教訓1「関所(チョークポイント)での執行」: 政策の巧みさは、空港の保安検査場という、誰もが必ず通過する「関所」を利用して製品基準を徹底させた点にあります。小売店での販売規制や、事故後のリコールに頼るよりも、はるかに効率的かつ網羅的です。
- 教訓2「明確さと非妥協性」: 「マークがなければ持ち込めない」というルールは非常にシンプルで、解釈の余地がありません。この明確さが、円滑な執行と、消費者・メーカー双方の迅速なコンプライアンスを促しました。
- 教訓3「市場の強制的な転換」: この政策は、消費者が安全な製品を購入する強力なインセンティブを生み出し、市場全体を安全な方向へと強制的に転換させました。
中国の事例は、「すでに出回ってしまった製品を規制するのは不可能だ」という一般的な反論が誤りであることを証明しました。販売を禁止するのではなく、「使用」を制限することで、消費者に自主的な買い替えを促し、市場から危険なレガシー製品を効果的に駆逐することができるのです。まずは航空機という最もリスクの高い環境から着手し、段階的に対象を広げていくアプローチも、政治的な合意形成や実務的な導入を容易にする上で非常に参考になります。
第5章:より安全な日本へ:3段階の政策提言
これまでの分析を踏まえ、日本の現状に即した、具体的かつ実行可能な3段階の政策プランを提言します。
ステップ1:安全基準の抜本的引き上げ ― 全てのモバイルバッテリーに「ひし形PSE」を義務化
- 提言: モバイルバッテリーの分類を、現行の「特定電気用品以外の電気用品」から「特定電気用品」へと即時に変更する。
- 根拠: この法改正一つで、日本国内で販売される全ての新品モバイルバッテリーに、第三者機関の検査を必須とする「ひし形PSEマーク」の表示が義務付けられます。これにより、第2章で指摘した「自主検査」という最大の抜け穴を塞ぎ、規制を製品の現実のリスクレベルに合致させることができます。
- 追加要件: 新基準には、LFPやナトリウムイオン電池といった、より安全な化学組成を持つ電池の使用を優先する規定を盛り込むべきです。コバルト系の電池を使い続ける場合は、はるかに厳格な熱暴走耐性テストを課す必要があります。
ステップ2:段階的かつ効果的な「関所(チョークポイント)」での執行
- 提言: 中国の成功モデルを参考に、既存のセキュリティチェックポイントを活用した執行体制を構築する。
- フェーズ1(施行後1年):空港と新幹線
国内線・国際線を問わず全ての航空便に持ち込むモバイルバッテリーに対し、新たな「ひし形PSEマーク」の表示を義務化します。執行は既存の保安検査場で行います。これにより、最も公共性が高く、事故発生時の被害が甚大となる交通機関から、危険な製品を排除します。多くの人は、いつも飛行機に乗るとは限らないから意味は薄いのでは?と考える人もいるかもしれません。しかし、規制が厳しければ、それほど値段変わらないなら、安全策でひし形PSEマーク製品をとりあえず買っておく人が大半になり、安全でない製品は自然と市場から駆逐されます。メーカーの立場で考えればコストが大きく変わるものでなければ、より多く売れて利益も増えるひし形PSE認証製品を増やした方がとくとなります。 - フェーズ2(1年~2年):大規模公共施設
スタジアム、コンサートホール、国際会議場といった大規模イベント施設や、主要な官公庁施設など、多くの人が集まる場所でのセキュリティチェックにも対象を拡大します。 - 執行メカニズム: 基準を満たさないバッテリーは、一時預かりや没収の対象とします。これにより、国民が安全な製品へと買い替えるための、現実的で強力な動機付けが生まれます。
ステップ3:市場転換の加速 ― 「アメとムチ」による後押し
- 提言: 政府が積極的に市場の移行を支援し、円滑な転換を促す。
- 国民への周知徹底(アメ): 新しいひし形PSEマークの重要性や、LFP・ナトリウムイオン電池の安全性について、大規模な広報キャンペーンを展開します。
- 買い替えインセンティブ(アメ): 古い基準のバッテリーを、新しいひし形PSE認証を受けた安全な製品に交換する際に、小規模な補助金やポイント還元などのインセンティブを提供します。
- 政府調達による市場創出(ムチ): 全ての政府機関および関連団体が使用するモバイル電源機器について、新しい安全基準を満たした製品の調達を義務化します。政府の巨大な購買力を活用することで、安全な製品のための安定した初期市場を創出し、メーカーの移行を後押しします。
結論:不安から安心を選ぶために
本稿で示してきた論理は明確です。モバイルバッテリーによる火災リスクは現実のものであり、日々増大しています(第1章)。現在の安全規制には致命的な欠陥があります(第2章)。しかし、それを解決するはるかに安全な技術は、すでに私たちの手の届くところにあります(第3章)。そして、その普及を徹底させるための、実証済みの政策モデルも存在します(第4章)。
提言した3段階のプランは、過激なものではなく、危険な市場の失敗を是正するための、論理的で現実的な処方箋です。
私たちは、ポケットの中の便利なデバイスが、いつ火を噴くか分からないという日々の不安を受け入れ続けるのか。それとも、断固たる行動を起こし、そのデバイスが不安ではなく、安心の源であることを保証するのか。その選択を迫られています。
今こそ日本が、消費者安全の分野で世界をリードし、より安全な未来を選択する時です。
引用文献
- モバイルバッテリーなどの火災事故が多発 夏こそ注意! - 家電 Watch, 8月 28, 2025にアクセス、 https://kaden.watch.impress.co.jp/docs/news/2033427.html
- Vol.481 7月22日号「リチウムイオン電池搭載製品の事故」, 8月 28, 2025にアクセス、 https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/mailmagazin/2025fy/vol481_250722.html
- 「死人が出ないのが奇跡」発火事故多発のリチウムイオン電池、どう捨てるのが正解?〈ごみ清掃員芸人が教える〉 - ダイヤモンド・オンライン, 8月 28, 2025にアクセス、 https://diamond.jp/articles/-/371333?page=2
- 「発火する」モバイルバッテリー問題が急増する理由。知っておくべき中国の制度改定と対処法, 8月 28, 2025にアクセス、 https://www.businessinsider.jp/article/2507-mobile-battery-fire-prevention/
- 消費者庁「モバイルバッテリーの事故に注意しましょう! -帰省や旅行の時期、公共交通機関の中での事故は特に危険です, 8月 28, 2025にアクセス、 https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/caution/caution_020/pdf/caution_020_190731_0001.pdf
- リチウムイオン電池搭載製品の出火危険 - 東京消防庁, 8月 28, 2025にアクセス、 https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/kasai/lithium_bt.html
- PSEマークって何?ひし形と丸形の違いとは? | MOTTERU (モッテル), 8月 28, 2025にアクセス、 https://motteru.co.jp/column/mobile_battery/18443/
- PSEマークの基礎知識とAnkerグループの安全への取り組み, 8月 28, 2025にアクセス、 https://www.ankerjapan.com/blogs/magazine/5-best-mobile-battery-anker-0
- バッテリー爆発の危険?PSEマークとは?今つかっているバッテリーは安全なの? | スマホスピタル, 8月 28, 2025にアクセス、 https://smahospital.jp/column/iphone_not_charging/smartphone_battery/55035/
- www.rakuten.co.jp, 8月 28, 2025にアクセス、 https://www.rakuten.co.jp/owltech/contents/column/pse_exp/#:~:text=%E4%B8%B8%E5%BD%A2PSE%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%AF%EF%BC%9A%E7%89%B9%E5%AE%9A,%E4%BD%BF%E3%81%88%E3%82%8B%E8%A3%BD%E5%93%81%E3%82%92%E9%81%B8%E3%81%B3%E3%81%BE%E3%81%97%E3%82%87%E3%81%86%E3%80%82
- モバイルバッテリーに関するFAQ - 電気用品安全法(METI/経済産業省), 8月 28, 2025にアクセス、 https://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/mlb_faq.html
- 電安法が本格施行間近 - 経済産業省の角井氏が「PSE問題」を語る - PHILE WEB, 8月 28, 2025にアクセス、 https://www.phileweb.com/sp/news/audio/200603/09/6351.html
- PSE特定電気用品の試験をJETでやることの難しさよ…原因は基本的に中国生産工場の理解不足, 8月 28, 2025にアクセス、 https://principles-certification.com/2023/10/29/pse%E7%89%B9%E5%AE%9A%E9%9B%BB%E6%B0%97%E7%94%A8%E5%93%81%E3%81%AE%E8%A9%A6%E9%A8%93%E3%82%92jet%E3%81%A7%E3%82%84%E3%82%8B%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%AE%E9%9B%A3%E3%81%97%E3%81%95%E3%82%88/
- もう怖くないPSE!電気用品安全法の基礎知識と対策をまとめてみた - hacomono TECH BLOG, 8月 28, 2025にアクセス、 https://techblog.hacomono.jp/entry/2025/02/25/110000
- モバイルバッテリーのPSEマークとは?安全に使用する方法やよくある質問を解説 - Blog, 8月 28, 2025にアクセス、 https://blog.ecoflow.com/jp/mobile-battery-pse-certification/
- リチウムイオン電池の種類は?材料・形状の特徴と安全性・用途を解説 | SMART ENERGY WEEK, 8月 28, 2025にアクセス、 https://www.wsew.jp/hub/ja-jp/blog/article_30.html
- 蓄電池で使われるリチウムイオン電池の危険性は?その種類と安全性をリサーチ, 8月 28, 2025にアクセス、 https://www.no1biz.jp/blog/601/
- 半固体電池とは?リン酸鉄リチウムイオンバッテリーと 三元系リチウムイオンバッテリーとの違いを徹底比較 - BougeRV, 8月 28, 2025にアクセス、 https://jp.bougerv.com/blogs/article/semi-solid-battery
- リン酸鉄リチウムイオンバッテリーとは?メリットとデメリット解説、おすすめポータブル電源も - Anker, 8月 28, 2025にアクセス、 https://www.ankerjapan.com/blogs/magazine/lithium-ion-battery
- エレコム ナトリウムイオンモバイルバッテリー:安全と長寿命の新時代を切り開く|GetGadgetGot, 8月 28, 2025にアクセス、 https://note.com/getgadgetgot/n/n3ed53b9a52bc
- 【2025年最新】発火リスク激減!ナトリウムイオンバッテリーの安全性と選び方を解説, 8月 28, 2025にアクセス、 https://50it.jeez.jp/archives/7249
- 【2025年完全版】ナトリウムイオン電池とは?資源・安全・コストで選ぶ次世代バッテリー入門 | パワーバンクス:ポータブル電源ブログ, 8月 28, 2025にアクセス、 https://powerbanks.jp/sodium-ion-battery-guide-2025/
- 世界初のモバイルバッテリー!長寿命・高耐久で極寒や猛暑でも使える、安全で環境に優しい「ナトリウムイオンモバイルバッテリー」を新発売 | エレコム株式会社 ELECOM, 8月 28, 2025にアクセス、 https://www.elecom.co.jp/news/new/20250313-01/
- 「発火しないモバイルバッテリー」目指すエレコム。ナトリウムイオン電池、世界初の実用化, 8月 28, 2025にアクセス、 https://www.businessinsider.jp/article/2503-elecom-sodium-ion-battery/
- 中国の国内便、機内持ち込みのモバイルバッテリーは「3C」ロゴ必須に - ケータイ Watch, 8月 28, 2025にアクセス、 https://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/news/2026834.html
- 中国モバイルバッテリー手荷物規制の解説|上海在住のえいちゃん - note, 8月 28, 2025にアクセス、 https://note.com/eichan_sh/n/n3e2c54c0ad3e
- www.joytel.jp, 8月 28, 2025にアクセス、 https://www.joytel.jp/topics/it-china/check-3c-domestic-flights/#:~:text=2025%E5%B9%B46%E6%9C%8828,%E3%81%AE%E5%AF%BE%E8%B1%A1%E5%A4%96%E3%81%A8%E3%81%AA%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
- 中国|国内線におけるモバイルバッテリー機内持込みの注意点, 8月 28, 2025にアクセス、 https://www.tokutenryoko.com/news/passage/18023
- 【速報】中国国内線におけるモバイルバッテリー機内持込みに注意|日本で購入できる3C認証モバイルバッテリーは? | JOYTEL - ジョイテル, 8月 28, 2025にアクセス、 https://www.joytel.jp/topics/it-china/check-3c-domestic-flights/
- 中国民航局、3Cマークのないモバイルバッテリーの国内線への持ち込みを禁止(中国) - ジェトロ, 8月 28, 2025にアクセス、 https://www.jetro.go.jp/biznews/2025/07/603fb2b1a8666fbd.html
- 中国国内の飛行機に持ち込むモバイルバッテリーにCCC認証が必要になったようです。, 8月 28, 2025にアクセス、 https://www.sonnagaya.com/entry/2025/07/01/193000