社内SEゆうきの徒然日記

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【驚愕】偽妊婦とロブスターでGPU密輸?NVIDIAとAI企業の真実バトルの舞台裏

中国による半導体密輸の奇想天外な手法を巡り、大手AI企業とGPUの巨人NVIDIAが激しい論争を繰り広げています。「偽妊婦」や「生きたロブスター」を使った密輸手法は単なる作り話なのか、それとも驚くべき現実なのか?今回は、テクノロジー業界を揺るがすこの異例の対立の真相に迫ります。

AIジャイアントとGPUキングの対立の発端

2025年4月30日、ChatAI「Claude」の開発元として知られるAI企業Anthropicが公式サイトで衝撃の主張を行いました。同社は米国政府のAI輸出規制に関する声明の中で、「中国ではCPUを偽妊婦のおなかに隠したり、GPUを生きたロブスターと一緒に箱詰めしたりといった独創的な手法を用いて輸出規制を回避している」と具体的な密輸手法を例示したのです1

これに対し、GPU大手のNVIDIAは猛反発。2025年5月1日、同社の広報担当者はCNBCの取材に応じ、「アメリカの企業は、デカくて重くて繊細な電子機器が『偽妊婦』や『生きたロブスター』に紛れて密輸されているなどというデタラメな作り話を語るのではなく、イノベーションに注力して課題に立ち向かうべきだ」と一蹴しました1

偽妊婦の腹部から見つかった202個のCPU

しかし、興味深いことに、Anthropicの主張は実際に起きた事件に基づいていました。2022年11月25日、マカオと広東省珠海市の境界で「妊婦」を装った女性が検査を受けることになりました1

この女性は「妊娠5~6ヶ月目」と申告しましたが、職員の目に不自然に映ったのでしょう。調べてみると、彼女のおなかの膨らみは妊娠によるものではなく、シリコンカバーの中に202個ものCPUと9台のスマートフォンを隠し持っていたことが発覚したのです1

中国のSNS「微博(Weibo)」には、この密輸未遂事件の一部始終を記録した動画も投稿されており、偽妊婦による密輸は紛れもない事実でした1

生きたロブスターと一緒に密輸されようとしたGPU

「GPUを生きたロブスターに紛れ込ませて密輸する」という事案も実際に発生していました。2023年4月28日、香港当局は自家用車の検査を行い、車内から約280kgの生きたロブスターとともに約70枚のグラフィックボードを発見したのです1

これらの事例は、中国向けの高性能半導体の輸出規制に対する抜け道として、密輸業者が採用した斬新な手法の一部に過ぎません。

なお、香港税関は別の事例でも、2021年11月にスピードボートから生きたロブスター約900kgを押収しています2。これはオーストラリア産ロブスターの中国本土への密輸の一環であり、両国関係の悪化に伴う輸入制限を回避する目的がありました。密輸の手法はさまざまな商品で応用されているようです。

米中ハイテク争いの最前線

この騒動の背景には、米中間のハイテク覇権争いがあります。アメリカ政府は中国のAI開発能力を制限するため、高性能半導体の対中輸出規制を強化しています。こうした規制を受けて、中国側では様々な方法で必要なチップを入手しようとする動きが活発化しているのです1

NVIDIAの広報担当者は「中国は世界のAI研究者の半数を擁しており、AIに関連するあらゆることがらについて非常に優秀な専門家がそろっている。アメリカはAIで勝利を収めるために規制当局を操作することはできない」と述べ、輸出規制政策に批判的な立場を示しています1

NVIDIAの立場と半導体業界への影響

NVIDIAは現在、マイクロソフト、アップルに次ぐ世界第三位の企業価値を持つ巨大企業です3。生成AIブームの中心にあるNVIDIAにとって、中国市場は非常に重要な収益源となっています。そのため、米政府による輸出規制は同社のビジネスに直接的な影響を与える可能性があります。

NVIDIAのGPUは、AIモデルのトレーニングと推論において最高のパフォーマンスを提供し、多くの企業がこれに依存しています3。「生成AIというゴールドラッシュにツルハシを売っている」と例えられるNVIDIAにとって、規制強化は望ましくない状況と言えるでしょう。

今後の展望:ハイテク密輸戦争はどう展開するか

この一連の出来事は、ハイテク製品をめぐる国際的な規制と密輸の実態を浮き彫りにしています。偽妊婦やロブスターといった奇想天外な密輸手法は、高性能半導体の獲得競争がいかに熾烈なものになっているかを示しています。

今後も米中間のテクノロジー覇権争いは続くでしょう。規制が強化されれば密輸手法もさらに巧妙化し、この「猫とネズミのゲーム」は新たな展開を見せることが予想されます。

まとめ:事実は小説より奇なり

「偽妊婦」や「生きたロブスター」による半導体密輸という一見フィクションのような事例は、残念ながら現実に起きている事実でした。NVIDIAが「作り話」と反発したAnthropicの主張は、実際の密輸事例に基づいていたのです。

この騒動は、技術革新のスピードと国際的な規制のバランス、そして企業間の立場の違いを鮮明に示しています。AI開発競争が加速する中、高性能半導体の調達を巡る攻防は今後も続くことでしょう。技術の発展と国家安全保障の狭間で、私たちは今後も予想外の展開を目にすることになるかもしれません。

Citations:

  1. https://gigazine.net/news/20250502-nvidia-anthropic-china-gpu-smuggling/
  2. https://www.afpbb.com/articles/-/3376254
  3. https://balencer.jp/knowledge/nvidia/
  4. https://x.com/gigazine/status/1918145502924730747
  5. https://x.com/woory_tama/status/1918154711552991412
  6. https://article.auone.jp/genre/3/sub-genre/7
  7. https://portal.uqmobile.jp/genre/8
  8. https://gigazine.net/news/contact2/
  9. https://www.recordchina.co.jp/newsinfo.php?id=130139
  10. https://bookplus.nikkei.com/atcl/column/052100376/052100001/
  11. https://b.hatena.ne.jp/entry/s/note.com/randr_inc/n/n2720bae97d55
  12. https://reinforz.co.jp/bizmedia/82188/
  13. https://bookplus.nikkei.com/atcl/column/032100489/040100004/
  14. https://article.auone.jp/genre/3
  15. https://www.recordchina.co.jp/b191508-s0-c30-d0054.html
  16. https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/83052
  17. https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM1054G0Q4A011C2000000/
  18. https://news.yahoo.co.jp/articles/304de124866646a2ba40e4e1f13921aa334d159c



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